高齢化が進展し、社会保障費が増加する中、医療と介護の連携が大きな課題になっており、地域包括ケアシステムを国が推し進め、本県でも推進しております。

奈良県では、地域包括ケアシステムの一環として、高齢者が退院後も自宅で適切なケアを受けられるようにすることで、再入院が必要となるケースを減らし、医療費の圧縮を狙いながら、医療・介護の連携に必要な「隊員調整ルール」作りを進める為、市町村に対し支援するモデルを始めました。

策定するルールには、病院からケアマネジャーに高齢者の入院時連絡やケアマネジャーから病院への患者情報の提供や退院時の数日前には連絡を行ったり、介護保険を利用していないものの、保険の適用が必要と判断される患者の基準など、医療と介護の連携強化を具体的に進めようとしております。

そこで、医療と介護の連携をはじめ、本県の地域包括ケアシステムの取り組み状況について福祉保健部長にお伺いします。

 

(日隈福祉保健部長答弁)

「地域包括ケアシステム」の構築は、市町村が主体となって医療と介護の連携推進や介護予防、認知症対策、生活支援体制づくりなどを進めていくものでありますが、県内市町村の取り組みは緒に就いたばかりで、多くの課題に対していかねければならない状況であります。

中でも、医療と介護の連携推進は単独の市町村では対応が難しく、県が積極的に支援を行うべき課題となっております。

このため県では、ご質問にありましたように、「隊員調整ルールづくり」を昨年度、南那珂地域をモデルに取組んだところでありますが、病院の看護師と地域のケアマネジャーによる検討を重ねたことで、互いの顔の見える関係づくりも進むという成果も得られたため、今年度から、他の地域にも拡大していくことにしております。

県といたしましては、今後とも地域医療介護総合確保基金を活用した様々な事業や先進事例の紹介、情報交換の場の提供などにより、市町村と連携しながら、地域包括ケアシステムの構築に取り組んでまいりたいと考えております。

 

(再質問)

地域包括ケアシステムでは、介護保険利用者のサービスの充実を図る為の一環としてケアマネジャーのスキルアップをしていく地域ケア会議は非常に重要になっていくと考えていますが、県としての地域ケア会議の推進の考え方を福祉保健部長にお伺いします。

 

(日隈福祉保健部長答弁)

介護支援専門員、いわゆる「ケアマネジャー」は要介護者に具体的にどのような介護サービスを提供するかを決める「ケアプラン」の策定を行っており、介護保険制度の運営において、非常に重要な役割を担っております。

また、地域包括支援センターが主催する「地域ケア会議」では、個別のケアプランに対して、行政、医療、介護の関係者がアドバイスを行うことにより、課題の抽出や対応策の検討、さらにはケアマネジャーのスキルアップにもつなげていくこととされております。

このため県では、先進的な取り組みを行っている埼玉県和光市から講師を招き、市町村向けのセミナーを開催するとともに、大分県杵築市と国東市を市町村職員と訪問し、地域ケア会議の視察や意見交換を行ってところであり、こうした取り組みににより、引き続き、市町村の地域ケア会議の充実やケアマネジャーの更なるスキルアップを支援して参りたいと考えております。