森林環境税は全国的に森林の荒廃が進む中、市町村が所有者に代わって間伐などを行うのに必要な財源を確保する為、2018年税制改正で創設が決まりました。

 一人当たり年間1000円を個人住民税に上乗せして徴収することになっていますが、実際に国民から森林環境税を徴収するのは東日本大震災復興で徴収している上乗せが終わる2024年からになっておりますが、来年度から借入金を原資に、年数百億円が前倒しで市町村へ森林環境譲与税が譲与されることになりました。

 管理が行き届かない森林を市町村が整備出来るようになり、

非常に期待しております。

 そこで、新たな森林経営管理制度において、管理が行き届かない森林とはどのようなものなか。また、どのように把握するのか環境森林部長にお伺いします。

 

(甲斐環境森林部長答弁)

 国が示した、経営管理が行われていない恐れがあるとされる森林の基準の目安は、人工林において、下刈り、除伐等が不十分なため、植栽した木が周りの草木におおわれている場合や、間伐が行われていないため過密化している場合等で、市町村森林整備計画に定める標準的な施業を行っていない森林とされております。

 また、これらの森林については、市町村が、森林経営計画の策定の有無、施業履歴の状況等により経営管理の行われていない恐れがある森林を抽出し、現地調査や森林所有者への聞き取りを行うとともに、集落座談会の開催等を通じて、確認、把握することとされております。

(再質問)

 本県には40万ha以上の民有林がありますが、市町村で新たな森林経営管理計画を作成するのに、かなりの事務手続きがあると思います。小さい町村では人員も限られ、農業との兼務の多く本当に事務がスムーズに進むか心配であります。

 そこで、市町村における林業担当職員数と、職員一人当たりが担当する民有林面積並及び森林所有者数について環境森林部長にお伺いします。

 

(甲斐環境森林部長答弁)

 県内市町村の本年度における林業担当職員の人数は98人で、一市町村あたり3.8名となっております。

 また、職員一人当たりが担当する民有林の面積は平均4,162haで、最も広い市町村は西米良村の1万2,659ha、一方最も狭い市町村は、高鍋町の706haとなっております。

 さらに、職員一人当たりが担当する森林所有者数は平均で1,459名で、最も多い市町村は高原町の4,070名、一方、最も少ない市町村は西米良村の355名となっております。

(再質問)

林業を専従している職員が市町村で大きなバラツキがある答弁を聞き、全ての市町村で、しっかりした経営管理のための計画が作成できるか心配になりました。

 市町村間の連携・県や森林組合の支援が必要だと考えます。

 そこで、新たな森林経営管理制度を担う市町村に対する県の支援について環境森林部長にお伺いします。

 

(甲斐環境森林部長答弁)

 市町村は、来年度、森林を経営管理する上で基本データーとなる林地台帳を公表し、運用することとなっていますが、県では、そのベースとなる台帳の原案を、本年度中に作成し、市町村へ提供することとしております。

 また、市町村が嘱託職員として林業技術者を活用できる「地域林政アドバイザー」の斡旋を行うとともに、来年度開講予定の「みやざき林業大学校」におきまして、新たに市町村職員を対象とした研修も実施する予定であります。

 さらに、今年度、市町村が集落座談会や戸別訪問を通じて行う、森林所有者への意向調査に対しても支援を行うこととしております。

 県としましても、来年度からスタートするこの制度におきまして、森林の経営管理が円滑に実施できますよう日頃から市町村、森林組合等と連携して活動している林業普及指導員等が中心となろ、市町村を積極的に支援してまいりたいと考えております。