本格的な人口減少社会に入り、地域経済の疲弊、地域社会の維持、高齢化に伴う社会保障費の増など様々な課題に立ち向かうため、近年人口減少対策が各県で取り組まれようになりました。

本県でも人口ビジョンを策定し2060年までの人口推計を示し、人口減少要因である社会動態が流出超過、いわゆる就職や進学に伴う県外流失が多い状況を、2030年までに30%抑止し、人口減少率を緩めていきたいと考えております。

基本的には県の考え方に賛成しますが、実態は高校生の県内就職に関しては二年連続最下位という極めて厳しい状況です。

仕事観、賃金など様々なことがあり、県内就職が一番だとは言えませんが人口減少により宮崎県の経済等が疲弊しないためにも積極的な県内就職支援の取り組みが必要だと考えているいます。

そこで、石川県・富山県の高校生の県内就職率が極めて高いということで、自民党の商工建設部会で石川県・富山県を調査して参りました。

石川県金沢商業高校では、OB会組織が生徒や学校全体をバックアップする体制が出来上がっており、金商ブランド(金沢商業ブランド)を構築しており、昨年就職した153名のうちわずか1名が県外に就職しただけで、他の生徒は全て県内就職しているということで、99%以上の県内就職率でした。驚きの数字で、毎年このような状況だということでした。

富山県では、企業の協力により7割以上の生徒がインターンシップを体験したり、県内企業を紹介するガイドブックを作成し、生徒に県内企業の情報提供をしっかり行っておりました。

また、親に対する就職セミナーも開催していりました。

石川県・富山県の取り組みは非常に参考になると思いますが、知事に両県の取り組みついて見解をお伺いします。

(答弁:河野知事)

本県の人口減少の大きな要因は、進学や就職時の若年層人口の流出などによる社会減であり、人口減少に歯止めをかけるためには、若者の県内就職の促進が不可欠であると考えております。

このような中、本県の高校生の県内就職率が全国最下位という結果を受けまして、県におきましても、昨年、教育委員会と合同で、県内就職率が高い両県の取り組みを調査いたしましたが、地元企業と学校が密着しながらインターンシップなどのキャリア教育や生徒の進路指導に取り組んでおり高校生に地元企業の魅力がしっかり伝わっていることが、県内就職率の高さにつながっているものと考えております。

県といたしましては、両県の取り組みも参考にしながら、これまで以上に企業と学校、企業と生徒の接点を増やしていくため、現在、教育委員会や宮崎労働局等とも連携し、企業と学校のネットワークの強化や高校生が地元企業の魅力に直接触れる機会の拡大に取り組んでいるところであります。

(再質問)

今年度から高校生の県内就職を促進するため、これまで以上に学校と企業との接点を強化し、地元企業を知る機会の提供やキャリア教育支援に取り組むことにより、本県の産業発展を担う人材の確保・育成を図る目的で「さあ、みやざきで働こう!高校生県内就職促進事業」に取組んでおりますが、具体的には県はどのように取り組んでいるのか商工観光労働部長にお伺いします。

(答弁:中田商工観光労働部長)

高校生の県内就職の促進に向けた取り組みといたしましては、まず、企業と高校のネットワーク強化を図る為、県内就職支援員を配置するとともに、学校・企業関係者によるワークショップを県内3地区で開催しており、教職員と企業の人事担当者との接点の広がりも生まれてきております。

また、生徒と企業の出会いの場を提供するため、宮崎労働局との共催で、6月3年生向けの県内企業説明会を開催し、参加者からは、地元にも全国的に活躍している企業があることを知ったなどの声も頂いております。

更に、2年生を対象とした企業ガイダンスや1年生を対象にした県内企業・進学先体験フェアの開催を予定しております。

今後とも、教育委員会等と連携しながら、高校生の県内就職の促進に積極的に取り組んで参りたいと考えております。

(再質問)

富山県では県外の大学等に進学した生徒に対し、学校側から生徒に承諾を取ったうえで実家の住所を把握し、就職活動が始まる前に県が独自に作成した県内企業のガイドマップを3,000件程度送付しております。

事業効果がどの程度上がっているかは、把握していないとのことでしたが、富山県としての県内就職への意気込みを感じました。

そこで、Uターンを促進するため県外に進学した大学生等に対して県内企業の情報を積極的に提供すべきではないか商工観光労働部長にお伺いします。

(答弁:中田商工観光労働部長)

県外に進学した大学生のUターンを促進するためには、県内企業の魅力をしっかり発信することが重要であると考えております。

このため、昨年度から、教育委員会と連携し、県外進学者の保護者への県内企業情報の提供に取り組んでおり、今年度は大学1,2年生の保護者約二千名に対し、就職情報紹介冊子等を送付する予定であります。

また、東京に設置する「宮崎ひなた暮らしUIJターンセンター」において、就職支援セミナーや県内企業との交流会を開催しているほか、首都圏の大学訪問や大学主催のセミナーへの参加などを通じて本県出身学生への情報発信に取り組んでいるところであります。

今後とも、県外進学者に対し、積極的に県内企業情報を提供し、本県へのUターンを促進して参りたいと考えております。